院生と物理学と+α

大学院生(専攻は相対論と量子情報)が学んだこととかつらつら書いていきます

代表的な4次元ブラックホールについて

遂に4月になってしまいましたね・・・雪の舞う季節に入院して気づいたら桜が咲き始めてました。

前回からだいぶ時間があいてしまいましたが、せっかく新学期になったので更新しようと思います。

ブラックホールを用いたタイムマシンの話でしたが、やはりブラックホールの簡単な数理はどうしても説明上必要となるので代表的な4次元ブラックホール解についてまとめました。
ここに書いたもの以外でも知られているブラックホール解はたくさんあるんですが、どの教科書でも必ず出てくるのはこの3つだと思います。
特にKerr解についてはタイムマシンの話で重要になります。
Kerr解自体の導出は全く触れてませんが、よく本に載っているのは対称性からEinstein方程式をErnst方程式という簡単な方程式にリダクションし、Kerr解の族を系統的に導く方法でしょうか(この方法自体も非線形σ模型という大きな括りに入ります)
時空の最大拡張や、エネルギーの引き抜き機構であるPenrose過程については長くなるのであまり詳しくは触れていません。
Penrose過程やボゾン場の超放射の話はKerr解の特徴として面白いのでどこかで触れられればなぁとは思っています。
またブラックホール時空上での運動も、可積分系が関わってくる大事なトピックですが、いずれどこかで紹介できればと思います。


(今回はTEXで書いてPDFを埋め込んでみました)

あまりちゃんと校正したものではないので、間違い等あればご指摘ください。
例によって図はまだ書いてないのでそのうち載せると思います。